キムチ・ヨーグルト・味噌を比べる|発酵食品と乳酸菌の特徴まとめ
Jul 04, 2026
キムチもヨーグルトも味噌も、ぜんぶ「乳酸菌が入ってる発酵食品」でひとくくりにされがち。でも中身を見ると、使ってる菌の種類も、原料も、食べ方もかなり違う。
この記事では、代表的な3つの発酵食品を並べて比較する。どれを選ぶかの判断材料にしてほしい。
発酵食品と乳酸菌の基本
乳酸菌は糖を分解して乳酸をつくる細菌の総称で、単一の菌種ではない。Lactobacillus属、Leuconostoc属、Streptococcus属など多くのグループが含まれる。
発酵食品ごとに関わる菌は違うので、「乳酸菌入り」と書かれていても、実際の菌種は食品によって別物になる。ここが最初のポイント。
また、原料によって「動物性乳酸菌」と「植物性乳酸菌」に分けて呼ばれることがある。乳を原料にするヨーグルトは動物性、野菜や大豆を原料にするキムチ・味噌は植物性、という区分だ。
毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。
キムチの乳酸菌と特徴
キムチは白菜などの野菜を塩漬けし、唐辛子・ニンニク・魚介塩辛などのヤンニョム(薬念)を加えて乳酸発酵させた韓国の伝統的な漬物。
発酵に関わる菌は1種類ではなく、Lactobacillus属、Leuconostoc属、Weissella属など複数の乳酸菌が報告されている。発酵の初期・中期・後期で優勢な菌が入れ替わるのも特徴で、時間が経つと酸味が強くなるのはこのため。
原料は野菜なので植物性乳酸菌に分類される。食塩・食物繊維・唐辛子由来のカプサイシン・ビタミン類なども一緒に摂れる。生のまま食べれば、乳酸菌は生きた状態で口に入る。
ヨーグルトの乳酸菌と特徴
ヨーグルトは乳を原料に、主にLactobacillus bulgaricusとStreptococcus thermophilusの2種の乳酸菌で発酵させた乳製品。コーデックス規格や日本の乳等省令でも、この2菌種が基本と定義されている。
ここに製品ごとの独自菌株(いわゆる〇〇菌)を追加している商品も多い。動物性乳酸菌に分類され、たんぱく質・カルシウム・ビタミンB2など、乳由来の栄養素も一緒に摂れるのが強み。
3つの中では、菌の種類がもっともシンプルで、規格化されている食品。毎日同じ品質のものを摂りやすい。
味噌の乳酸菌と特徴
味噌は大豆・米(または麦)・塩を原料に、麹菌(Aspergillus oryzae)による糖化と、耐塩性の乳酸菌(Tetragenococcus halophilus等)・酵母(Zygosaccharomyces rouxii等)による発酵を経てつくられる。
つまり味噌は「乳酸菌だけの発酵食品」ではなく、麹菌・乳酸菌・酵母の合作。熟成期間の長いものほど風味が複雑になる。植物性乳酸菌に分類される。
ここで注意したいのが加熱。乳酸菌は一般に加熱で死滅するため、味噌汁のように煮立てると生きた乳酸菌の数は減る。菌そのものを狙うなら、火を止めてから味噌を溶く、または味噌漬け・味噌ディップのような非加熱の食べ方が向いている。
3つを表で比較する
ここまでの内容を整理すると、こんな感じ。
| 項目 | キムチ | ヨーグルト | 味噌 |
|---|---|---|---|
| 主な原料 | 白菜など野菜+ヤンニョム | 乳 | 大豆・米/麦・塩 |
| 主な乳酸菌 | Lactobacillus属、Leuconostoc属、Weissella属など | L. bulgaricus、S. thermophilus | Tetragenococcus halophilus等(耐塩性) |
| 分類 | 植物性乳酸菌 | 動物性乳酸菌 | 植物性乳酸菌 |
| 他の微生物 | ほぼ乳酸菌主体 | 乳酸菌主体 | 麹菌・酵母も関与 |
| 一緒に摂れる主な成分 | 食物繊維、ビタミン類、食塩 | たんぱく質、カルシウム、ビタミンB2 | たんぱく質、食塩、麹由来成分 |
| 加熱の影響 | 加熱調理で乳酸菌は減少 | 基本は非加熱で摂取 | 味噌汁など加熱で乳酸菌は減少 |
含有量は書き込まなかった。理由は、メーカー・製法・熟成期間・保存状態で数字が大きく変わるから。同じ「キムチ」でも、漬けたての浅漬けと熟成したものでは乳酸菌数がまったく違う。数字で比べるより、種類と摂り方で選ぶほうが現実的だと思う。
日常でどう取り入れるか
毎日の食事に組み込みやすいのはヨーグルト。朝食に固定しやすく、量もコントロールしやすい。
キムチは副菜として、白ごはんや冷奴に添えるのが手軽。ただし食塩量は多めなので、他のおかずの塩分と合わせて考えたい。
味噌は日本人にとってもっとも身近な発酵食品。乳酸菌そのものを重視するなら、味噌汁を作るときに火を止めてから味噌を溶く、あるいは味噌ディップ・きゅうりの味噌漬けのような非加熱メニューを混ぜてみる。
個人的には、1つに絞らず、その日食べたものに合わせて回すのが続けやすい。焼肉のときはキムチ、朝は無糖ヨーグルト、夜は味噌汁、みたいに。バランスの良い食事と適度な運動と一緒に、日々の健康管理の一部として取り入れてほしい。
まとめ
キムチ・ヨーグルト・味噌は、同じ「発酵食品・乳酸菌」というくくりでも、菌の種類・原料・加熱の扱いがそれぞれ違う。
ヨーグルトは規格化されていて摂りやすい動物性。キムチと味噌は複数の菌が関わる植物性で、味噌はさらに麹菌と酵母も参加する複雑な発酵食品。加熱で乳酸菌が減る点は共通の注意ポイント。
どれが一番かを決める必要はない。それぞれ役割が違う食品として、食卓に並べていくのが自然な付き合い方だと思う。
