妊娠中の食事と体重管理|適切な体重増加の目安と栄養バランスの考え方

妊娠中の食事と体重管理|適切な体重増加の目安と栄養バランスの考え方

妊娠が分かってから、最初に戸惑うのが「どれくらい体重が増えていいのか」問題じゃないでしょうか。太りすぎもダメ、増えなさすぎもダメ。じゃあ何を、どのくらい食べればいいのか。

この記事では、厚生労働省が示している妊娠中の体重増加の目安と、毎日の食事で意識したい栄養バランスの考え方を整理しました。数字の根拠と、実際に食卓で使える具体例をセットで紹介します。

妊娠中の体重増加、目安はどれくらい?

体重増加の目安は「妊娠前のBMI」で変わります。全員が同じ数字ではありません。

厚生労働省が2021年に改定した「妊産婦のための食生活指針」では、以下の範囲が推奨されています。

  • 低体重(BMI 18.5未満):12〜15kg
  • ふつう(BMI 18.5〜25未満):10〜13kg
  • 肥満1度(BMI 25〜30未満):7〜10kg
  • 肥満2度以上(BMI 30以上):個別対応(上限おおむね5kg)

以前より上限がやや引き上げられたのは、増えなさすぎによる低出生体重児のリスクが問題視されるようになったから。「太らないほうがいい」は少し古い情報です。

毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。

時期ごとに必要なエネルギーは変わる

妊娠期間中、ずっと同じ量を食べればいい、というわけではありません。時期に応じて必要なエネルギーが増えていきます。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、妊婦が付加すべきエネルギー量は次の通り。

  • 初期(〜13週):+50kcal/日
  • 中期(14〜27週):+250kcal/日
  • 後期(28週〜):+450kcal/日

初期の+50kcalは、ごはん軽く一口分。中期以降でようやく「一食プラスおにぎり半分」くらいのイメージです。「2人分食べる」は明らかに食べすぎ、というのがよく分かる数字だと思います。

栄養バランスの基本は「主食・主菜・副菜」

難しい栄養計算をしなくても、1食に主食・主菜・副菜がそろっていれば大きく外れません。

主食はごはん・パン・麺などの炭水化物。主菜は肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質源。副菜は野菜・きのこ・海藻。この3種類が皿に並んでいるかを毎食チェックするだけで、栄養の偏りはかなり防げます。

特に副菜は不足しがち。厚生労働省の「食事バランスガイド」では、妊娠中期以降は野菜料理を1日5〜6皿と示されていますが、実際に達成できている人は多くありません。汁物に具を増やす、朝に果物を1つ足す、みたいな小さな工夫の積み重ねが現実的です。

特に意識したい栄養素

妊娠中に不足しやすい栄養素は、ある程度決まっています。

葉酸は妊娠初期の胎児の発育に関わる栄養素で、厚生労働省は妊娠を計画している段階からサプリメントで400μg/日の摂取を推奨しています。ほうれん草、ブロッコリー、枝豆などに多く含まれますが、水溶性で加熱に弱いので食事だけで補うのは難しいのが実情。

は妊娠中期以降で必要量が大きく増えます。赤身肉、レバー(ただしビタミンAの過剰摂取に注意)、あさり、小松菜など。ビタミンCと一緒に摂ると吸収が上がります。

カルシウムは日本人が慢性的に不足しがちなミネラル。牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐などから。妊娠中に付加量は設定されていませんが、そもそも普段から足りていない人が多いので意識して増やしたいところです。

体重が増えすぎる/増えなさすぎる時のヒント

健診で「増えすぎ」と言われた時、まず見直したいのは間食と飲み物。ジュースや菓子パンは思った以上にカロリーが高く、しかも満腹感が続きにくい。おにぎりや無糖ヨーグルトに置き換えるだけで、同じ満足感でも摂取エネルギーは減ります。

逆に「増えなさすぎ」の場合、つわりが落ち着いたのに食が細いままだったり、脂質を極端に避けている人が多い印象。良質な脂質(青魚、ナッツ、オリーブオイル)は胎児の発達にも必要なので、無理に減らす必要はありません。

ただし、自己判断で食事を大きく変えるのは避けてほしいです。妊婦健診で助産師さんや管理栄養士さんに相談すれば、体質や生活に合わせたアドバイスがもらえます。

サプリメントは「食事の補助」として考える

葉酸のように食事だけでは補いにくい栄養素は、サプリメントで補完するのが現実的な選択肢です。ただし主役はあくまで日々の食事。サプリを飲んでいるから食事は適当でいい、にはなりません。

妊娠中に使うサプリは、含有量・原材料・製造管理がはっきりしているものを選びたい。個人的には、ラベルを見て「何がどれだけ入っているか」がすぐ分かる製品を基準にしています。心配な場合はかかりつけの産婦人科に相談してから始めるのが安心です。

まとめ:数字より「続けられる形」

体重の目安、必要エネルギー、意識したい栄養素——数字を並べると多く感じますが、毎食完璧にやる必要はありません。今日はごはんとみそ汁に卵を足す、明日は昼に野菜を1品増やす、くらいの積み重ねで十分です。

健診の数字に一喜一憂しすぎず、体調と相談しながら、続けられる食習慣を見つけていってください。

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