PFCバランスと1日の食事メニュー例|主食・主菜・副菜で組み立てる献立ガイド

PFCバランスと1日の食事メニュー例|主食・主菜・副菜で組み立てる献立ガイド

「PFCバランスを整えたい」と思って調べると、いきなりP15%・F25%・C60%みたいな数字が出てきて、で結局今日の晩ごはん何にすればいいの、と手が止まる。私自身、栄養士監修のアプリを3ヶ月使ったあとに気づいたのは、比率を計算するより「主食・主菜・副菜」の枠で考えたほうが早いということだった。

この記事では、厚生労働省の食事摂取基準を土台にしつつ、日本の食卓に昔からある一汁三菜のフレームで1日のメニューを組み立てる方法をまとめる。計算式も載せるが、暗算できるレベルまで落とす。

この記事の要点

  • PFCとはProtein(タンパク質)・Fat(脂質)・Carbohydrate(炭水化物)の頭文字で、三大栄養素とも呼ばれる
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量は、タンパク質13〜20%・脂質20〜30%(飽和脂肪酸7%以下)・炭水化物50〜65%
  • タンパク質と炭水化物は1g=4kcal、脂質は1g=9kcal(アトウォーター係数)
  • 主食が炭水化物、主菜がタンパク質と脂質、副菜がビタミン・ミネラル・食物繊維を担う
  • 1食に主食1品・主菜1品・副菜1〜2品・汁物1品を揃えると、PFCは自然と目標範囲に収まりやすい

毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。

PFCバランスとは何か、3つの頭文字と1gあたりのカロリー

結論から言うと、PFCバランスとは食事から摂るエネルギーのうち、タンパク質・脂質・炭水化物がそれぞれ何%を占めるかという比率のこと。厚生労働省は「エネルギー産生栄養素バランス」という名前で目標量を示している。

Pはプロテイン、Fはファット、Cはカーボハイドレート。中学の家庭科で三大栄養素と習ったあれと同じ。人間が動くエネルギー源になるのはこの3つだけで、ビタミンやミネラルはエネルギーを直接生まない。

ここで押さえたいのが1gあたりのカロリー、いわゆるアトウォーター係数だ。

  • タンパク質:1g=4kcal
  • 炭水化物:1g=4kcal
  • 脂質:1g=9kcal

脂質だけ2倍以上ある。これを知っておくと、なぜ揚げ物やバターを控えろと言われるのかが腑に落ちる。同じ100gでも、鶏むね肉(皮なし)は約105kcal、豚バラは約366kcalで、差の大半は脂質量の違いから来ている(日本食品標準成分表2020年版・八訂)。

ちなみにアルコールは1g=約7kcalで、これも計算上はエネルギー源になる。ただし食事摂取基準のPFCには含めない扱いなので、この記事では省く。

厚生労働省が示す目標量、13〜20%・20〜30%・50〜65%

目標値は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に明記されている。18〜64歳の成人でエネルギー産生栄養素バランスの目標量は次の通り。

  • タンパク質:13〜20%エネルギー
  • 脂質:20〜30%エネルギー(うち飽和脂肪酸7%以下)
  • 炭水化物:50〜65%エネルギー

幅がある。ここが大事で、「P15・F25・C60」みたいなピンポイントの数字は目安のひとつでしかない。健康維持を目指すなら、この幅の中に収まっていればまず問題ないという設計になっている。

面白いのは飽和脂肪酸の7%以下という上限。日本人はもともと欧米より飽和脂肪酸摂取が少なかったのに、令和元年国民健康・栄養調査を見ると若い世代ほど摂取量が増えている。ハンバーガーとチーズと生クリームで簡単に超える数字なので、脂質の内訳まで見ておきたい。

65歳以上は少し変わり、フレイル予防の観点からタンパク質の下限が15%に引き上げられている。高齢の親と自分で同じ献立を食べていても、親のほうがタンパク質を多めに取るべきという考え方だ。

1日の必要エネルギーからグラム換算する計算式

比率だけ言われてもピンと来ないので、実際にグラムに落とす。手順は3ステップ。

ステップ1:1日の必要エネルギーを決める

身体活動レベル「ふつう」の成人男性で約2600kcal、女性で約2000kcal(食事摂取基準2020年版・18〜49歳の推定エネルギー必要量)。デスクワーク中心なら男性2300kcal、女性1800kcal程度に落ちる。

ステップ2:比率を決める

とりあえず真ん中を取って P15%・F25%・C60% で計算する。ダイエットならP20%・F20%・C60%あたりに寄せる人が多い。

ステップ3:kcalをgに割り戻す

例:2000kcalの女性、P15・F25・C60の場合

  • タンパク質:2000×0.15÷4=75g
  • 脂質:2000×0.25÷9=約55.5g
  • 炭水化物:2000×0.60÷4=300g

これが1日のグラム目安。3食で割れば1食あたりP25g・F18g・C100g。ごはん茶碗1杯(150g)で炭水化物は約55g、鶏むね肉100gでタンパク質約23gなので、意外と現実的な数字になる。

細かい計算に疲れたら、次に紹介するフレームで組めばだいたい収まる。

主食・主菜・副菜、PFCが自動で整う日本の食卓フレーム

結論を先に言う。1食で主食1・主菜1・副菜1〜2・汁物1を揃えると、PFCバランスはほぼ勝手に整う。これは農林水産省が「食事バランスガイド」で提示している考え方でもあり、家庭科の教科書でおなじみの一汁三菜と重なる。

役割を整理すると:

  • 主食:ごはん・パン・麺。主に炭水化物を供給する
  • 主菜:肉・魚・卵・大豆製品。タンパク質と脂質を供給する
  • 副菜:野菜・きのこ・海藻。ビタミン・ミネラル・食物繊維を担う
  • 汁物:味噌汁・スープ。副菜を兼ねられて、満腹感も出る

ここで個人的に強調したいのが、日本の一汁三菜という枠は世界的に見てもかなりよくできている、という点だ。フランスの前菜〜メイン〜デザートの流れは炭水化物と脂質に偏りやすいし、アメリカのプレート料理は皿の半分が肉と芋になりがち。対して一汁三菜は「主菜1品を副菜が囲む」構造で、自然と野菜量が増える。にもかかわらず戦後の食生活の欧米化でこの型が家庭から消えつつあるのは、少しもったいない。

ちなみに農林水産省「食事バランスガイド」ではコマの形で1日の目安が示されていて、主食5〜7つ(SV)、副菜5〜6つ、主菜3〜5つ、牛乳・乳製品2つ、果物2つ、が成人の目安。SV=サービングは、主食ならごはん小盛り1杯が1つ、副菜なら小鉢1杯が1つと数える単位だ。

朝・昼・夕の具体的なメニュー例(P15%・F25%・C60%・約2000kcal想定)

数字だけだと動きが取れないので、1日分の献立を書く。デスクワーク中心の30代女性、体重維持目的の想定で組んでみる。

朝食(約500kcal)

  • 主食:ごはん150g(玄米ブレンド)
  • 主菜:納豆1パック+卵1個の卵かけごはん
  • 副菜:ほうれん草のおひたし小鉢
  • 汁物:わかめと豆腐の味噌汁

玄米を混ぜるだけで食物繊維とビタミンB1が上がる。納豆と卵で植物性・動物性のタンパク質を両方入れ、卵はアミノ酸スコア100(必須アミノ酸のバランスが理想値に達している)なので朝の一品として合理的。

昼食(約700kcal)

  • 主食:ごはん180g
  • 主菜:鮭の塩焼き1切れ(約80g)
  • 副菜:きんぴらごぼう、切り干し大根の煮物
  • 汁物:なめこの味噌汁

青魚のサバやイワシならn-3系のEPA・DHAが取れるが、鮭にも一定量含まれる。副菜2品にすると野菜量が一気に増える。

夕食(約700kcal)

  • 主食:ごはん150g
  • 主菜:豚もも肉と野菜の生姜焼き(豚もも80g・玉ねぎ・ピーマン)
  • 副菜:トマトときゅうりのサラダ、ひじきの煮物
  • 汁物:大根と油揚げの味噌汁

豚バラでなくもも肉を選ぶだけで脂質量が半分以下になる。同じ生姜焼きでも部位を変えるだけで、1食のPFCが大きく変わる。

この1日を粗く計算すると、タンパク質約80g・脂質約55g・炭水化物約290g、比率にして P16%・F25%・C59% あたりに収まる。目標量の幅内。

ダイエット目的で組むとき、高タンパク低脂質へのシフト

減量したいなら、まず脂質を削る。P20%・F20%・C60%くらいに寄せて、総カロリーを維持エネルギーから300〜500kcal引く。これが基本形。

具体的な食材選びのコツは次の通り。

  • 肉は鶏むね・ささみ・豚もも・牛もも。バラ・肩ロースは頻度を落とす
  • 魚は白身+青魚を交互に。刺身なら脂質を抑えつつタンパク質が取れる
  • 卵は1日2個までを目安に(脂質量が意外と多い、1個約5g)
  • 豆腐・納豆・厚揚げを毎日どこかに入れる
  • 揚げ物は週2回まで、フライパン調理は油小さじ1でとどめる
  • 菓子パン・スイーツは脂質と糖質のダブルパンチなので頻度管理する

鶏むね肉100gはタンパク質約23g・脂質約1.9g(皮なし・生)で、ダイエッターに支持される理由がここにある。同じ100gでも鶏もも肉(皮つき)は脂質約14gで、7倍以上の差。

ただし脂質を削りすぎるのは危険。脂質は必須脂肪酸の供給源で、ホルモンや細胞膜の材料にもなる。食事摂取基準の下限20%は下回らないほうがいい。目安として、1日の脂質を体重×0.8g以下にはしない、と覚えておく。

ちなみに私は3年前、脂質を1日30g以下に絞る極端な食事を2ヶ月続けて、肌がガサガサになって諦めた。数字を追いかけすぎると生活が破綻するので、幅の中でゆるく回すほうが結局続く。

外食・コンビニでPFCを整える現実解

自炊できない日が週の半分あるのが普通の社会人。外食とコンビニで乗り切る方法を書く。

コンビニで組むなら

  • おにぎり1〜2個(主食・炭水化物)
  • サラダチキン or ゆで卵 or 焼き魚パック(主菜・タンパク質)
  • ほうれん草のおひたし or 海藻サラダ or 具だくさん味噌汁(副菜)

セブンイレブンのサラダチキン(プレーン)は1個でタンパク質約24g・脂質約1.5g。ローソンのブランパン系は炭水化物を抑えつつタンパク質と食物繊維を足せる。この組み合わせで1食600kcal前後、PFCも目標範囲に収まる。

外食チェーンで組むなら

  • 定食屋(大戸屋・やよい軒):焼き魚定食を選ぶと自動的に一汁三菜になる
  • ラーメン単品は避けて、餃子とサラダを足すより、チャーシュー多めの醤油ラーメン+半チャーハンをやめて、つけ麺+味玉に変える方が脂質が減ることがある
  • 牛丼は並盛り+味噌汁+サラダのセットにする。単品だと副菜がゼロになる

コツはひとつ。「主食・主菜・副菜が皿の上にあるか」を目視で確認するだけ。3つ揃っていなければ、どれか足す。逆に主菜が2品(唐揚げ+ハンバーグみたいな)になっていたら、片方を副菜に変える。

目的別のPFC比率、維持・減量・増量

PFCの比率は目的で少し動かす。厚労省の幅の中で、次のように寄せる人が多い。

  • 維持:P15%・F25%・C60%(基準ど真ん中)
  • 減量:P20%・F20%・C60%(タンパク質を上げて脂質を下げる)
  • 増量・筋肥大:P20%・F25%・C55%(総カロリーを増やしつつバランス維持)

ボディビル系の情報だとタンパク質を体重×2gに設定する話が出るが、これは食事摂取基準の目標量上限20%を超える設計。腎機能に問題がない健康な成人が短期間行う分には問題ないとする論文もあるが、長期の安全性データは十分ではない。日本腎臓学会のガイドラインでも慢性腎臓病では過剰なタンパク質摂取を控えるよう記載がある。

個人的には、体重×1.2〜1.6gのレンジで運用するのが現実的だと思ってる。60kgの人なら72〜96g/日。これなら食事摂取基準の目標量にも収まる。

1週間続けるコツと、崩れたときのリカバリー

最後に、続けるための現実的な話をしておく。

完璧を目指すと3日で折れる。私が7年くらい食事管理を続けてこれた理由は、1日単位で見ずに3日〜1週間の平均で帳尻を合わせるという運用にしたから。金曜に焼肉に行ったら、土日は野菜と魚中心にする。それだけ。

週の献立を組むなら、次のような大枠だけ決めるのがおすすめ。

  • 週2回:魚(青魚1回+白身1回)
  • 週2回:鶏むね or ささみ
  • 週1回:豚もも or 牛もも
  • 週1回:大豆製品メイン(麻婆豆腐、厚揚げステーキなど)
  • 週1回:外食フリー枠

副菜は「緑・赤・茶」の3色を意識すると自動的にビタミンとミネラルが揃う。緑はほうれん草・ブロッコリー・小松菜、赤はトマト・パプリカ・にんじん、茶はきのこ・海藻・ごぼう。

崩れた翌日は、朝を白湯と味噌汁と納豆ごはんに戻す。それだけで胃がリセットされる感覚がある。数字で追いかけるより、体感で調整するほうが続く。

まとめ、数字より枠、枠より継続

PFCバランスの理想値(P13〜20%・F20〜30%・C50〜65%)を毎食計算するのは現実的じゃない。かわりに、主食1・主菜1・副菜1〜2・汁物1のフレームで1食を組む。これだけで比率はだいたい目標範囲に収まる。

肉より魚を、脂身より赤身を、精白米より雑穀米を、揚げ物より焼き物を、選択の方向が正しければ、細かい数字は多少ぶれても大丈夫。厚労省の目標量が幅で示されているのは、そういうゆるさを許容するためだと思ってる。

今日の夕食から、皿の上に主食・主菜・副菜が揃っているかだけ見てほしい。1週間続くと、自分の食事パターンの偏りが見えてくる。そこから直せばいい。

参考資料

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
  • 農林水産省「食事バランスガイド」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活」

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