季節の変わり目の体調管理は食事から。だるさを引きずらない秋の食習慣の作り方

季節の変わり目の体調管理は食事から。だるさを引きずらない秋の食習慣の作り方

9月の中旬あたり、朝は肌寒いのに昼は半袖でちょうどいい、そんな日が3日続いた頃から、なんとなく体がだるい。去年もそうだった。一昨年もそうだった。うちの母親は「毎年この時期は寝ても疲れが取れない」と言うし、職場の同僚も先週から鼻をぐずぐずさせている。

季節の変わり目に体調を崩す人は多い。環境省と気象庁が発表している寒暖差データを見ても、9月〜10月と3月〜4月は1日の最高気温と最低気温の差が10℃を超える日が珍しくない。体はその温度差についていくために、自律神経を切り替え続ける。疲れるに決まっている。

この記事は、その「季節の変わり目のだるさ」に対して、食事で何ができるかを一次資料ベースでまとめたもの。薬ではなく、日々の食卓の話。

この記事の要点

  • 季節の変わり目の不調には、寒暖差による自律神経の負担と、生活リズムの乱れによる食事の質低下が関わっている(厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト)
  • 発酵食品は乳酸菌・麹菌などの微生物やその代謝産物を含む食品で、味噌・納豆・ヨーグルト・キムチ・ぬか漬けなどが該当する(農林水産省)
  • 食物繊維の目標量は成人男性21g/日以上、女性18g/日以上(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)
  • 秋が旬の食材はさんま、さけ、さつまいも、かぼちゃ、れんこん、栗、きのこ類など。ビタミンD、食物繊維、たんぱく質が同時に摂れる献立を組みやすい(農林水産省)
  • 成人の水分出納は1日約2.5L、飲料からの摂取目安は約1.2L(厚生労働省 健康のため水を飲もう推進運動)

毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。

季節の変わり目に体調が揺れるのは、なぜか

結論から書くと、寒暖差と気圧の変動に対応するために自律神経が働き続け、そこに食事・睡眠のリズムの乱れが重なるからだ。

厚生労働省が推進しているスマート・ライフ・プロジェクトでは、生活習慣病予防の柱として「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」「健診・検診の受診」を挙げている。この4本柱のうち、季節の変わり目にまず崩れやすいのが「適切な食生活」だと私は感じている。夏バテを引きずったまま食欲が戻らず、朝を抜き、昼はコンビニで済ませ、夜は疲れて麺類だけ。これで3日過ごすと、体の重さが翌週まで残る。

気象庁の観測データでは、東京の9月の平均気温は22℃前後だが、日中は28℃を超え、明け方は18℃を割り込む日がある。10℃の差だ。体はこれを吸収するために、末梢血管の収縮と拡張を1日に何度も繰り返す。この切り替えを担うのが自律神経で、切り替え続ければ疲れる。人間のシステムはそんなに丈夫にできていない。

そこに食事の乱れが重なると、体を作る材料が不足する。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、水分、これらは自律神経の働きや粘膜の維持に関わる基本的な材料で、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」に成人の推奨量・目標量が細かく示されている。数字を見ると、意外と足りていない人が多いことに気づく。

令和元年国民健康・栄養調査によると、成人の食物繊維摂取量の中央値は男性で19.4g/日、女性で17.5g/日。目標量の21g・18gに届いていない。1日にあと2〜3g、これが積み重なると腸内環境の維持が難しくなる。2〜3gというのは、納豆1パック(約3g)、あるいはごぼう50g程度でとれる量だ。

まず整えたいのは「朝食」、自律神経のスイッチを入れる

季節の変わり目の食習慣で最初に見直したいのは、朝食。理由はシンプルで、朝食が体内時計と自律神経の切り替えスイッチとして働くから。

厚生労働省 e-ヘルスネットでは、朝食の欠食が生活リズムの乱れと関連することが繰り返し指摘されている。夜型で寝る時間が遅くなり、朝食を抜くパターンが定着すると、日中の集中力低下や疲労感につながりやすい。私自身、20代の頃は朝食を抜くのが当たり前で、10時頃には頭がぼんやりして、11時半には空腹で機嫌が悪くなっていた。あれを「体質」だと思い込んでいたが、単に朝ごはんを食べていなかっただけだった。

朝に何を食べるかは、そこまで難しく考えなくていい。私が続けているのは、ごはん茶碗1杯、味噌汁、卵1個、納豆1パック、これだけ。所要時間は7分。味噌汁の具は前夜に決めておく、大根、豆腐、わかめ、しめじ、日によって違う。味噌と納豆で発酵食品が2種類、卵でたんぱく質、ごはんで炭水化物、野菜で食物繊維。これで大まかな栄養素は揃う。

パン派の人は、全粒粉のトーストにチーズを乗せ、ヨーグルトと果物を添える。これでたんぱく質、カルシウム、ビタミンC、食物繊維が入る。柑橘類やキウイを添えるとビタミンCも補える。厚生労働省 eJIMによれば、ビタミンCは水や加熱に弱い水溶性ビタミンなので、生のフルーツで摂るのは理にかなっている。

大事なのは「毎日同じでいい」と諦めること。栄養バランスを毎朝考えて変えていたら続かない。定型を作って、それを回すのがいちばん現実的。

発酵食品と食物繊維、腸を放置しない

季節の変わり目の食習慣で、次に外せないのが腸への配慮。効能効果ではなく、単純に材料として発酵食品と食物繊維が必要だから摂る、という話。

農林水産省の解説によると、発酵食品とは「微生物の働きにより食品成分が変化し、風味や栄養価が加わったもの」で、味噌、納豆、醤油、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、チーズ、鰹節などが含まれる。日本の食卓は元々発酵食品だらけで、意識しなくても味噌汁と漬物と納豆を食べていれば3種類は入っている。

私は10年ほど前からぬか床を維持している。夏場は毎日、冬場は2日に1回かき混ぜる。きゅうり、なす、にんじん、大根、たまに卵の殻を入れる。これを続けている理由は健康というより単純に美味しいからで、ぬか漬けにした大根の食感と塩味は、市販の漬物では出せない。ただ、副産物として毎日ぬか漬けを食べる習慣が10年続いている。

食物繊維については、目標量に届いていない人が多いことは先に触れた。1日あと2〜3gを埋めるには、以下のいずれかで足りる。

  • 納豆1パック 約3g
  • ごぼう50g 約2.9g
  • 切り干し大根20g 約4.2g
  • もち麦を白米に混ぜてごはん1膳 約2g
  • りんご1個(皮ごと) 約3g

私が一番手軽だと感じているのは、もち麦の混ぜ炊き。白米2合に対してもち麦大さじ3、水を大さじ4追加して炊くだけ。プチプチした食感が加わって、白米のときより噛む回数が増える。これを2週間続けたとき、便通が安定した実感があった、あくまで個人の感覚だが。

キムチと納豆を混ぜて食べるのは、韓国系の食堂で覚えた。発酵食品2種類、たんぱく質、食物繊維が一皿で入る。ごま油を数滴たらすと、朝でも食欲が出る。

秋の旬、さんま、さけ、きのこ、根菜を使い倒す

季節の変わり目に旬の食材を選ぶ理由は、単純に安くて美味しくて栄養価が高いから。10月のさんまと2月のさんまでは、同じ値段でも脂の乗りが違う。

農林水産省の食育資料には、秋が旬の食材としてさんま、さけ、さば、さつまいも、かぼちゃ、れんこん、ごぼう、栗、きのこ類、柿、梨などが挙げられている。この中でも、季節の変わり目の食習慣として組み込みやすいのは魚ときのこ。

厚生労働省 eJIMによれば、ビタミンDはさけ、さんま、いわし等の魚類、乾燥しいたけやきくらげなどのきのこ類に多く含まれる。皮膚が日光を浴びることでも合成されるが、9月以降は日照時間が短くなり、外に出る時間も減る。食事から摂る比重が上がる季節だ。

さんまの塩焼きは、私の実家では9月末から10月にかけての定番だった。母が七輪を出して、庭で焼く。煙で近所迷惑になるのを気にしながら。あの匂いを嗅ぐと、季節が変わったなと今でも思う。最近は不漁が続いていて価格が上がっているが、さけやさばで代用できる。ノルウェー産のさばの塩焼きは、脂が乗っていて価格も安定していて、週1回のペースで食卓に出す。

きのこ類は低エネルギーで食物繊維、ビタミンB群、ビタミンDを含む(農林水産省)。しめじ、まいたけ、えのき、しいたけ、このあたりを2〜3種類まとめて買って、味噌汁、炒め物、炊き込みごはんに使い回す。日持ちさせたいときは石づきを落として冷凍する。凍らせてから使うと、細胞が壊れて旨味が出やすくなる、と料理研究家の土井善晴さんがどこかの番組で話していた。試してみたら本当に味噌汁の出汁が濃くなった。

根菜(ごぼう、れんこん、さつまいも、にんじん、大根)は、煮物やスープにするだけで一皿完成する。れんこんは輪切りにして甘酢漬け、さつまいもは蒸してそのまま。手間がかからないのに満足感がある。

たんぱく質を毎食入れる、量の目安は「手のひら1枚分」

季節の変わり目にたんぱく質不足になると、体を作る材料が足りない。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」では、18歳以上のたんぱく質推奨量は男性65g/日、女性50g/日と示されている。

65gと言われてもピンとこない。目安として、鶏むね肉100gにたんぱく質が約22g、卵1個に約6g、納豆1パックに約7g、木綿豆腐半丁(150g)に約10g、鮭切り身1切れ(80g)に約18g入っている。これを3食に分けて、毎食「手のひら1枚分」の主菜を入れると、だいたい足りる。

私が意識しているのは、朝に必ずたんぱく質を入れること。夜にステーキを食べても、朝と昼が炭水化物だけだと1食あたりの摂取が偏る。朝に卵と納豆、昼に鶏肉のサラダ、夜に魚、というふうに分散させる方が体が扱いやすい、というのは、いろいろな栄養学の本で共通して書かれている。

コンビニで買うなら、サラダチキン、ゆで卵、豆乳、鯖の味噌煮缶、このあたりを組み合わせるだけでたんぱく質は取れる。私が忙しい日にやっているのは、サバ缶を白ごはんに乗せて醤油を数滴、刻みネギを散らすだけの丼。所要時間3分。栄養は魚1切れ焼くのと変わらない。

ビタミン・ミネラルは「野菜と果物と海のもの」で回収する

季節の変わり目に不足しがちな微量栄養素は、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、マグネシウム、鉄あたり。全部をサプリで補うより、食材のバリエーションで自然に回収する方が続く。

厚生労働省 eJIMによれば、ビタミンCはピーマン、ブロッコリー、キウイ、柑橘類などに多い水溶性ビタミンで、水や加熱に弱い。だから生で食べるか、加熱するならスープごと飲む(汁に溶け出したビタミンCまで摂る)のが理にかなう。ブロッコリーは茹でるより蒸す方が、水に溶けるビタミンCの損失が少ない。

亜鉛は牡蠣、赤身肉、レバー、チーズ、ナッツ類に多い(厚生労働省 eJIM)。牡蠣は10月以降が旬で、生食用より加熱用の方が安くて味も濃い。オイスターソースで炒めるだけの牡蠣とほうれん草の炒め物は、うちの秋の定番。

ビタミンB群は豚肉、レバー、玄米、豆類に多い。豚汁を作れば、豚肉、根菜、味噌が一度に摂れる。日本の郷土料理は、こういう「一皿で複数の栄養素が入る」設計になっているものが多い。豚汁、けんちん汁、粕汁、のっぺい汁、地域によって呼び方が違うが、根菜と汁物の組み合わせは、季節の変わり目の食卓の主役になる。

水分、冷たい水を一気にではなく、常温を分けて

秋は喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取が減る。ここも見落としがち。

厚生労働省の「健康のため水を飲もう推進運動」では、成人の1日の水分出納は約2.5L、そのうち飲料からの摂取目安は約1.2Lとされている。食事から約1.0L、体内で作られる代謝水が約0.3L。飲み物として意識的に摂るのは1.2L、コップに換算して6〜7杯。

私は仕事中、デスクに700mlの水筒を置いていて、午前中に1本、午後にもう1本、これで1.4L。汗をかいた日はもっと。氷水を一気に飲むと胃が冷えるので、常温か少し温めた白湯を、時間を分けて少しずつ。

寒暖差疲労が気になる時期は、朝一番にコップ1杯の白湯を飲むだけで、体が動き出す感覚がある。これは科学的な効果というより、「毎朝同じ動作をすることで自律神経のスイッチが入る」という儀式的な意味合いが大きいと思っている。

生姜、香辛料、温かい汁物、体感的に温める

秋の食習慣で個人的に手放せないのが、生姜。農林水産省の解説によれば、生姜の辛味成分にはジンゲロール、加熱・乾燥により生じるショウガオールなどが含まれる。生と加熱で成分の割合が変わる、という話。

私が続けているのは、朝の味噌汁にすりおろし生姜を小さじ1入れること。指がじんわり温かくなる感覚があって、10月〜3月はほぼ毎日やっている。プラセボかもしれないが、続いているのだから自分にとっては意味がある。

スープカレー、豚汁、けんちん汁、参鶏湯、温かい汁物を1日1杯入れると、水分と塩分とたんぱく質が同時に摂れる。冷凍うどんに、鶏肉、白菜、しめじ、生姜を入れて煮込むだけの雑な鍋うどんが、私の秋冬の週2の定番。10分でできる。

食事だけでは足りない、睡眠・運動・光を組み合わせる

食事の話ばかり書いてきたが、季節の変わり目の体調管理は食事だけでは完結しない。厚生労働省スマート・ライフ・プロジェクトが「運動」「食事」「禁煙」「健診」を4本柱にしているのは、1つだけやっても効かないからだ。

私が食事と一緒に続けているのは、朝7時前に15分の散歩。光を浴びることで体内時計が整うと、いろいろな健康情報で言われている。実感としても、散歩した日としない日で、夜の眠気の来る時間が明らかに違う。

睡眠時間は7時間確保する。これができない週があると、翌週の体調に必ず響く。33歳を過ぎたあたりから、睡眠負債は貯めた分だけしっかり返ってくることを学んだ。20代の頃は徹夜しても翌日けろっとしていたが、今は無理。

運動は、週2回の軽い筋トレとストレッチ。ジムに行く時間がない週は、家で自重スクワット20回とプランク1分だけでもやる。ゼロにしないことが大事、というのが3年続けた実感。

忙しい人のための現実的な組み合わせ

ここまで書いてきた内容を、平日フルタイム勤務の人向けに簡略化するとこうなる。

朝(所要7分):ごはん+味噌汁(具は前日の残り野菜)+卵か納豆。パン派なら全粒粉トースト+チーズ+ヨーグルト+果物。

昼(コンビニでも可):おにぎり2個より、おにぎり1個+サラダチキン+味噌汁+ゆで卵。たんぱく質と食物繊維を意識する。

夜(所要15分):魚1切れ焼く(またはサバ缶)+根菜の味噌汁(または豚汁)+ごはん+漬物。週2回はきのこを入れる。週1回は牡蠣か貝類。

水分:朝の白湯1杯、日中に1.2L以上。

間食:ナッツ、素焼きアーモンド、ヨーグルト、旬の果物(柿、梨、みかん)。

これを完璧にやろうとすると3日で息切れするので、7割できたら合格、と自分では決めている。週末に多めに副菜を作り置きしておくと、平日の負担がぐっと減る。私は日曜の夕方に、切り干し大根、ひじきの煮物、きんぴらごぼう、ゆで卵をまとめて作る。所要時間は全部で45分。これで平日5日分の「あと一品」が確保できる。

最後に、完璧を目指さない食習慣を、長く回す

季節の変わり目の食習慣について書いてきたが、結局のところ大事なのは「完璧にやらない」ことだと思っている。栄養バランスを毎食計算していたら疲れるし、続かない。定型を作って、それを7割の精度で回し続ける。飲み会があった翌日は野菜を多めにする、疲れた日は雑な鍋うどんで済ませる、そのくらいの緩さでちょうどいい。

体は1日で作られない。3日でも作られない。3ヶ月続けたときに、ようやく去年と比べて「今年の秋はまだマシかもしれない」と感じる程度の変化。それが積み重なると、5年後、10年後の体調に効いてくる、と信じてやっている。私自身、30歳を過ぎてから食生活を整え始めて、6年経った今、季節の変わり目の不調は明らかに減った。ゼロではない。減った、というだけ。

この記事に書いたことのうち、1つか2つでも「これならできそう」と思えるものがあれば、そこから始めてほしい。全部やる必要はない。朝の味噌汁1杯でも、白湯1杯でも、続けたもん勝ちだと私は思っている。

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