飲み会の翌日の食事はどうする?水分と食べ物の選び方を栄養データから整理

飲み会の翌日の食事はどうする?水分と食べ物の選び方を栄養データから整理

飲み会の翌日、朝起きた瞬間に「あ、今日は無理だ」と感じたことが何度ある人向けに書いています。頭が重い。喉がカラカラ。胃が重い。でも仕事はある。

そんなときに、何を食べて、何を飲むか。この判断は意外と間違えやすい。コーヒーで無理やり目を覚ましたり、迎え酒で誤魔化したり、脂っこいラーメンで胃を叩き起こしたり、どれも体にとっては追加の負担になりがちです。

この記事では、公的機関のデータと食品成分表をもとに、翌日の食事と水分補給をどう組み立てるかを整理しました。前提として、お酒の飲みすぎは健康を害するリスクがあり、根本的には飲酒量そのものを減らすことが厚生労働省の基本方針です。ここでは「それでも飲んでしまった翌日」の過ごし方として、栄養学的な事実を中心にまとめます。

この記事の要点

  • アルコールには利尿作用があり、純アルコール10gあたり約100mLの水分が尿として追加排泄される(厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールと高血圧」ほか)。飲んだ量以上に体から水分が失われる計算になる
  • 二日酔いの主な原因はアセトアルデヒドの蓄積・脱水・電解質バランスの乱れ・低血糖の4つが重なった状態と整理されている(厚生労働省 e-ヘルスネット)
  • 経口補水液OS-1はナトリウム50mEq/L、ブドウ糖1.8%で設計されており、脱水時の水分吸収を目的とした「病者用食品」として大塚製薬工場から販売されている
  • 日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、しじみ可食部100gあたりタンパク質7.5g、ビタミンB12は62.4μgと食品中トップクラス
  • 厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月)では、純アルコール量として男性40g、女性20g以上/日で生活習慣病リスクが上がるとされている

毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。

なぜ飲み会の翌日は体がつらいのか、4つの要因を分解する

結論から言うと、二日酔いは単一の原因ではなく、脱水・アセトアルデヒド・電解質の乱れ・低血糖の4つが重なった状態です。だから対策も4方向から同時にやる必要がある。

まず脱水。厚生労働省のe-ヘルスネットには、アルコールには抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を抑える作用があり、尿量が増えると明記されています。目安として、純アルコール10gを摂取すると、追加で約100mLの水分が尿として出ていく。ビール中瓶1本(500mL)の純アルコール量は約20g。つまり500mL飲んでも、尿では約200mL追加で出るので差し引き約300mLしか残らない。実際には呼気や発汗でもう少し失われます。

次にアセトアルデヒド。これはアルコールが肝臓のADH(アルコール脱水素酵素)で分解されたときにできる中間代謝物で、頭痛や吐き気の主犯格です。日本人の約4割はALDH2(アルデヒド脱水素酵素2型)の活性が低いか欠損しているという報告があり(厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒と遺伝子」)、同じ量を飲んでも翌日のつらさには個人差が大きい。

電解質の乱れは、脱水と連動して起きます。尿と一緒にナトリウム・カリウムが出ていくので、水だけ補給しても血中濃度のバランスが戻りにくい。これが「水をいくら飲んでも喉が渇く」感覚の正体です。

最後に低血糖。アルコール代謝中は肝臓が糖新生を抑えられるため、朝方に血糖が下がりやすい。手が震える、頭がぼんやりする、冷や汗、といった症状が出たらこれを疑う。

翌朝起きた瞬間にやる、水分補給の順番

結論は「経口補水液かスポーツドリンクを常温で200〜300mL、ゆっくり」。これが最初の1杯の基本形です。

なぜ水じゃないか。脱水時は細胞外液のナトリウムも一緒に失われているため、真水だけ入れると血中ナトリウム濃度がさらに薄まり、吸収効率が落ちる。大塚製薬工場のOS-1は、ナトリウム50mEq/L、カリウム20mEq/L、ブドウ糖1.8%という組成で、WHO推奨の経口補水療法の考え方に基づいて設計されています。病者用食品に分類されていて、軽度〜中等度の脱水状態での水・電解質補給を目的としている。

ただしOS-1は塩味が強い。普段飲むとまずいと感じるのは、体が脱水状態じゃないから。翌朝「意外とおいしく感じる」なら、体が電解質を欲しているサインとされています。

経口補水液がなければ、スポーツドリンクでいい。ポカリスエットのナトリウムは約21mEq/L、糖質約6.2%で、OS-1より塩分は少なく糖分は多い。運動後向けの設計なので、重度の脱水用ではないけれど、普通の二日酔いなら十分間に合う。

避けたほうがいいのは、冷たい水をがぶ飲みすること。胃が弱っているときに冷たい液体を一気に入れると、胃けいれんや吐き気を誘発しやすい。常温か、ほんのり温かい程度で、150〜200mLずつ、15〜30分おきに補給していくのが現実的です。

コーヒーも翌朝の最初の1杯としてはおすすめしない。カフェインに利尿作用があり、脱水を悪化させる方向に働く。どうしても目を覚ましたいなら、水を2〜3杯飲んでからにする。

朝ごはんは何を食べるか、胃の状態別に3パターン

結論を先に言うと、胃がまったく受け付けないなら無理に食べず経口補水液だけ。少し食べられるなら味噌汁とおかゆ。普通に食べられるなら卵・しじみ・バナナを組み合わせる。

パターン1:胃がまだ重く、吐き気がある場合。固形物は入れない。経口補水液かスポーツドリンクでしのいで、昼頃までに胃が落ち着いてから食事に切り替える。無理に食べると嘔吐して脱水を悪化させる悪循環になる。

パターン2:少し食べられるが胃が弱っている場合。味噌汁がいい。味噌の塩分でナトリウムが、豆腐やわかめでカリウム・マグネシウムが補える。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、米みそ(甘みそ)のナトリウムは2400mg/100g、カリウムは340mg/100g。1杯の味噌汁(味噌約15g)で約360mgのナトリウムが摂れる。これはOS-1 500mL(ナトリウム約575mg)の6割程度に相当する。

しじみの味噌汁ならさらにいい。しじみ可食部100gあたりタンパク質7.5g、ビタミンB12は62.4μgで、これは成人男性の推奨量(2.4μg/日)の26倍にあたる。しじみに含まれるオルニチンが二日酔いにいいという話はよく出回るものの、ヒトでの明確な効果については研究が進行中で、現時点で断定できる話ではない。ただ、タンパク質・ビタミンB群・ミネラルを一度に補える食材として優秀なのは成分表の数字が示している。

パターン3:普通に食べられる場合。卵・バナナ・ヨーグルトあたりを組み合わせる。卵は良質なタンパク質とシステイン(アセトアルデヒド代謝に関わる含硫アミノ酸)を含む。バナナ中1本(可食部約100g)でカリウムが360mg摂れる(日本食品標準成分表2020年版)。ヨーグルトはタンパク質と水分、乳酸菌が同時に摂れる。

ちなみに、飲んだ翌朝に「無性にラーメンが食べたくなる」のは、塩分と糖質と水分を体が欲しているから、という説明がよくされる。ただ、豚骨ラーメン1杯の脂質は30g以上あることが多く、弱った胃には重すぎる。食べるなら素うどんかそばの温かいつゆを飲む形のほうが、同じ「塩分+水分+炭水化物」の目的を達成しつつ胃への負担が軽い。

翌日の昼と夜、回復フェーズの食事設計

朝で水分と最低限のエネルギーを入れたら、昼以降はタンパク質とビタミンB群、ビタミンCを意識する。これが結論。

肝臓でのアルコール代謝には、ADHとALDH2という2つの酵素が関わり、どちらもNAD+という補酵素を使う。NAD+の材料はナイアシン(ビタミンB3)。また、アセトアルデヒドの代謝で発生する酸化ストレスへの対応として、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化栄養素も消費される。

昼に向く食材を具体的に挙げると、豚肉(ビタミンB1が豊富、豚もも肉100gで0.96mg、成人男性推奨量の約70%)、鶏むね肉(ナイアシンが11.2mg/100g)、鮭(ビタミンB6・B12・D)、納豆(ビタミンB2・K、タンパク質)あたり。

定食屋で選ぶなら、焼き魚定食が無難。鮭定食+味噌汁+小鉢(ほうれん草のおひたしなど)+ごはんなら、タンパク質・ビタミンB群・ビタミンC・ミネラル・炭水化物がだいたい揃う。これに食後の果物(キウイやみかん)でビタミンCを足せば、翌日の食事としては十分なライン。

避けたほうがいいのは、揚げ物の重ね食い。トンカツ+コロッケみたいな組み合わせは、弱った胃には脂質が多すぎる。消化にエネルギーを使うため、だるさが長引きやすい。

夜も同じ方向性で、消化のいいタンパク質中心に組み立てる。鍋物は水分・野菜・タンパク質が一度に摂れるので、翌日の夜食としては合理的。寄せ鍋、湯豆腐、鶏の水炊きあたりが候補になる。

そして当然ながら、翌日の夜に「迎え酒」はしない。e-ヘルスネットでも、迎え酒は一時的に症状を紛らわせるだけで、肝臓への負担をさらに増やし、アルコール依存のリスクを高めると明記されています。

コンビニで調達するなら何を選ぶか

家に何もない、外出先、という状況なら、コンビニの選択肢を知っておくと役立つ。結論は「経口補水液(なければスポーツドリンク)+バナナ+ゆで卵+味噌汁(カップ)」の4点セット。

経口補水液は、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートで取り扱いがある。OS-1の280mLペットボトルかゼリータイプが見つかれば理想。なければアクエリアスやポカリスエットでいい。

バナナは1本100円前後で、カリウム・糖質・ビタミンB6が同時に摂れる。皮をむくだけで食べられるのも、調理する気力がない翌朝には重要なポイント。

ゆで卵は、良質なタンパク質を6〜7g/個補給できる。コンビニのゆで塩味は塩分も入っているので、ナトリウム補給も兼ねる。

カップの味噌汁(フリーズドライや生味噌タイプ)は、ナトリウムとわかめ・豆腐などのミネラルが入って100円前後。お湯があれば1分で用意できる。

避けたいのは、エナジードリンク系とブラックコーヒーだけで乗り切ろうとすること。カフェイン量が多く、脱水を悪化させる方向に働く。レッドブル250mLでカフェイン約80mg、モンスターエナジー355mLで約142mg。コーヒー(ドリップ150mL)が約90mg。これらを水分補給の代わりにするのは逆効果。

翌日に避けたほうがいい食べ物・飲み物

結論は「脂っこいもの」「カフェインだけ」「柑橘の原液」「迎え酒」の4つは翌日の午前中は避ける。

脂っこいもの(揚げ物、豚骨ラーメン、ハンバーガー)は、胃の内容物の排出を遅らせる。胃がもたれているときに脂質を入れると、消化に時間がかかって不快感が長引く。油を分解するために胆汁が多く必要で、肝臓にも追加の仕事が発生する。

カフェイン単独摂取(ブラックコーヒー、濃い緑茶、エナジードリンク)は、利尿作用で脱水を悪化させる方向。飲むなら水分を補給した後、少量にする。

柑橘系の果汁を原液で飲むのも避ける。オレンジジュースをコップ1杯一気に、みたいな飲み方は、胃酸過多の状態の胃にはしみる。果物でビタミンCを補うなら、よく噛んでゆっくり食べる形のほうがいい。

迎え酒は、言うまでもなく最悪の選択肢。e-ヘルスネットには、迎え酒を習慣化することがアルコール依存症への入り口になるという警告が繰り返し書かれています。朝からお酒を飲まないと体調が整わない状態まで来ているなら、それは個人の工夫で解決する領域を超えているので、医療機関に相談する段階です。

次回に向けた予防、飲んでいる最中にできること

翌日の対処より、飲んでいる最中の対策のほうが効果は大きい。結論は「水を同量以上」「食べながら飲む」「飲酒量そのものを減らす」の3つ。

水を同量以上というのは、お酒1杯につき水1杯以上を同時に飲む、という単純なルール。これだけで脱水の進行がかなり違う。ビール中瓶1本飲んだら水を500mL、ハイボール1杯飲んだら水を300mL、という具合。居酒屋で「お水ください」を頼むのが恥ずかしいという感覚があるなら、烏龍茶や炭酸水でも構わない。カフェインの少ない飲み物であれば、同じ水分補給として機能する。

食べながら飲むのは、アルコールの吸収速度を遅らせるため。空腹時にお酒を入れると血中アルコール濃度が急上昇して、同じ量でも酔いが深くなる。タンパク質(枝豆、冷奴、刺身、焼き鳥)や脂質を含むもの(チーズ、ナッツ)は、胃内滞留時間を延ばして吸収を緩やかにする。

最も効くのは、飲む量そのものを減らすこと。厚生労働省が2024年2月に発表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、純アルコール量として男性40g/日、女性20g/日以上で生活習慣病のリスクが上がるとされています。純アルコール20gの目安は、ビール中瓶1本(500mL)、日本酒1合(180mL)、ワイン2杯(200mL)、ウイスキーダブル1杯(60mL)、缶チューハイ(7%)350mL。ここを超えないラインで止めれば、翌日の体調はだいぶ違う。

個人的に効くと感じているのは、「3杯目まではビールか酎ハイ、以降はソーダ割りか炭酸水に切り替える」というルール。4杯目以降のアルコール度数を落とすだけで、翌朝の重さが明らかに変わる。あと、終電の1時間前からは水しか飲まないと決めておく。これは単純な話で、最後の1時間でどれだけ飲んでも代謝は追いつかないので、ほぼ全部が翌朝に残る計算になる。

こんな症状があるときは市販の対処ではなく医療機関へ

最後に注意点。以下の症状が出ている場合は、二日酔いの範囲を超えている可能性があるので、ためらわず医療機関にかかってください。

意識が朦朧としている、呼びかけに反応が鈍い、嘔吐が止まらず水分が全く摂れない、激しい腹痛が続く、吐血・下血がある、強い動悸や呼吸困難、黄疸(白目や皮膚が黄色い)、半日以上尿が出ない、これらは急性アルコール中毒や、アルコール性膵炎、消化管出血、重度の脱水など、受診が必要な状態のサインとされています。

特に急性アルコール中毒は、短時間に大量に飲んだ後、意識障害が進行することがある。寝ているだけだと思って放置して、翌朝に手遅れだった事例が毎年報告されています。「様子を見る」の判断は、本人ではなく周囲が冷静にする必要がある。

二日酔いは本来、起きないほうがいい状態です。起きたということは、その日の飲酒量が体の処理能力を超えていたということ。翌日の対処をうまくやるのも大事だけれど、本当に効くのは「次回から少し減らす」という地味な調整だと思っています。無理のない範囲で、お酒との付き合い方を自分でチューニングしていく。それが結局、翌日の自分にとっても、長期的な健康にとっても、一番やさしい選択です。

カートに追加する