ワイン1本(750ml)を2人で飲むと純アルコール量はどれくらい?種類別の目安と数え方

ワイン1本(750ml)を2人で飲むと純アルコール量はどれくらい?種類別の目安と数え方

金曜の夜、スーパーで赤ワインを1本カゴに入れる。帰り道、ふと思う。「これを夫婦で半分ずつ飲んだら、自分は何グラムのアルコールを飲むことになるんだろう」。

答えだけ先に言う。度数12%のワイン1本(750ml)を2人で等分すると、1人あたりの純アルコール量はおよそ36g。厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」の目安である1日20gを、1.8倍ほど超える計算になる。

この記事では、計算式そのもの、赤・白・スパークリング・ロゼ・酒精強化ワインの度数レンジ、他の酒類との換算、2024年に厚労省が出した新しい飲酒ガイドラインの読み方まで、数字と出典をセットで整理する。

この記事の要点

  • 度数12%のワイン1本(750ml)に含まれる純アルコール量は約72g、2人で等分すると1人あたり約36g(計算式: 750 × 0.12 × 0.8 = 72g)
  • 純アルコール量の計算式は「飲んだ量(ml) × アルコール度数(%)/100 × 0.8(アルコール比重)」、これは厚生労働省e-ヘルスネットが公開している公式計算式
  • 厚労省「健康日本21」の『節度ある適度な飲酒』は1日平均純アルコール約20g、ワイン換算では約200ml(グラス2杯弱)に相当
  • 赤・白ワインは一般に11〜14%、スパークリングは11〜12.5%、酒精強化ワイン(ポート・シェリー)は15〜22%と度数幅が大きい
  • 2024年2月に厚労省が公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、女性は男性より少ない量が推奨され、生活習慣病リスクを高める量として男性40g・女性20g以上/日を提示

毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。

ワイン1本(750ml)を2人で飲んだときの純アルコール量

結論から書く。度数12%のワイン1本を2人で等分した場合、1人あたりの純アルコール量は約36g。これは厚労省の適正飲酒目安(20g/日)の約1.8倍だ。

計算の中身を順を追って見る。ワイン1本の容量は750ml。これに度数12%を掛けると、純アルコールの体積は90ml(750 × 0.12)。アルコールの比重は0.8(水より軽い)なので、重量に直すと72g(90 × 0.8)。

これを2人で等分すれば、1人あたり375mlを飲む計算になり、純アルコールは36g。グラスにして2.5杯ぶんほどだ。

度数が13%のワインなら1人あたり39g、14%なら42gとじわじわ増える。「同じ1本を2人で」という状況は均等に見えて、度数の差で1人あたりが数グラム単位で動く。

うちでは、昔は何も考えずボトル1本を妻と空けていた。ある時、健康診断でγ-GTPが基準値ギリギリまで上がって、そこから計算するようになった。1本=1人36gという数字を知ってから、平日はグラス1杯で止めるか、ノンアルを間に挟むようになった。

純アルコール量の計算式: mL × 度数/100 × 0.8

計算式はシンプルだ。純アルコール量(g) = 飲んだ量(ml) × アルコール度数(%)/100 × 0.8。これは厚生労働省のe-ヘルスネット「飲酒量の単位」で公開されている公式の算定式で、国内の保健指導でも共通して使われている。

末尾の0.8は、エタノールの比重だ。水の比重を1としたとき、エタノールは約0.789。これを丸めて0.8として扱う。だから「体積(ml)×度数」で出した純アルコールの体積に0.8を掛けると、グラム数が出る。

いくつか実例で練習してみる。

  • ワイン125ml・度数12% → 125 × 0.12 × 0.8 = 12g
  • ワイン200ml・度数13% → 200 × 0.13 × 0.8 = 20.8g(ほぼ1日の目安)
  • ワイン375ml(1本の半分)・度数12% → 36g
  • ワイン750ml(1本)・度数14% → 84g

この式さえ覚えておけば、ビールでも日本酒でもウイスキーでも同じように計算できる。ビール500ml・度数5%なら500 × 0.05 × 0.8 = 20g。日本酒1合(180ml)・度数15%なら180 × 0.15 × 0.8 = 21.6g。「ビール中瓶1本=日本酒1合=純アルコール約20g」という保健指導の定番フレーズは、この式から出ている。

そう。式ひとつ覚えるだけで、酒ごとの比較が全部できる。

赤・白・ロゼ・スパークリング・酒精強化ワインの度数レンジ

ワインと一口に言っても、度数の幅は意外に広い。種類ごとの一般的なレンジを整理する。

  • 赤ワイン: 一般に12〜14%。カリフォルニアやオーストラリアの濃厚系では15%を超えるものもある
  • 白ワイン: 一般に11〜13%。ドイツ・モーゼル地方のリースリングなど冷涼地のものは8〜10%と低め
  • ロゼワイン: 11〜13%が中心
  • スパークリングワイン: シャンパーニュは12%前後、プロセッコは11〜12%、カバは11.5〜12.5%
  • 甘口・デザートワイン: ソーテルヌなど貴腐ワインは13〜14%、アイスワインは10〜12%
  • 酒精強化ワイン: ポートワイン(ポルトガル)は19〜22%、シェリー(スペイン)は15〜22%、マデイラは17〜22%

酒精強化ワインが特殊な理由を少しだけ補足する。発酵の途中または終了後にブランデーなどのスピリッツを添加するため、通常のワインより度数が5〜10%高い。ポルトガルのドウロ川上流で17世紀にイギリス向け輸出用に生まれた製法だ。長い船旅で傷まないよう度数を上げたのが起源とされる。

食事に合わせる1杯でも、ポートワインを125ml飲めば純アルコールは20g(125 × 0.20 × 0.8)。これだけで1日の目安に達する。デザートの脇役と思って注ぐと、意外に重い。

日本国内で広く買える銘柄で見ると、サントリー「ジャパンプレミアム 甲州」が11%、メルシャン「ビストロ」の赤が10%前後と、国内向けのデイリーワインは12%以下に抑えられたものも多い。ラベルの右下あたりに「アルコール分 ◯%」と必ず記載があるので、計算前にそこを見る習慣をつけるといい。

ワイン1本を他の酒類に換算すると

「ワイン1本」のイメージが掴みにくい人のために、他の酒との換算を出しておく。度数12%・750mlのワイン1本=純アルコール72gを基準にする。

  • ビール(度数5%・500ml缶): 1缶20g → ワイン1本は約3.6缶に相当
  • 日本酒(度数15%・1合180ml): 1合21.6g → ワイン1本は約3.3合に相当
  • 焼酎(度数25%・1合180ml): 1合36g → ワイン1本は約2合に相当
  • ウイスキー(度数40%・シングル30ml): 1杯9.6g → ワイン1本は約7.5杯に相当
  • チューハイ(度数7%・350ml缶): 1缶19.6g → ワイン1本は約3.7缶に相当

ワインは度数が中程度でもボトル容量が750mlあるため、総アルコール量としてはビール中瓶3〜4本に匹敵する。「ワイン1本くらい軽い」と感じるのは、1杯の量が小さく、グラスを回したり香りを楽しんだりして飲む時間が長いせいで、総量感覚がぼやけるからだと思う。

これを2人で等分したところで、1人あたりは「ビール中瓶1.8本」「日本酒1.65合」ぶん。ふだんビール1本で止めている人がワインに切り替えると、無自覚にアルコール摂取量が増えることがある。

厚労省「節度ある適度な飲酒」20gとワイン1本2人シェアの距離

厚生労働省「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクを下げる観点から『節度ある適度な飲酒』を1日平均純アルコール約20g程度としている。これはビール中瓶1本、日本酒1合、ワイングラス2杯弱に相当する量だ。

ワイン1本を2人で等分した1人36gという数字は、この20gの約1.8倍。1日の目安を超えていることになる。「2人で1本くらいなら軽い」と思いがちだが、数字で見ると日常化すべき量ではない。

さらに2024年2月に厚労省が公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、より踏み込んだ数値が示されている。

  • 生活習慣病のリスクを高める飲酒量: 男性40g以上/日、女性20g以上/日
  • 大腸がんのリスクが上昇する量: 1日約20g以上の継続的な飲酒
  • 純アルコール60g以上の多量飲酒を1回で行うと、急性アルコール中毒や外傷のリスクが高まる

この基準に当てはめると、ワイン1本を2人で等分した1人36gは、男性なら「適度」と「生活習慣病リスク増加」の中間、女性ならリスク増加域に入る量だ。

女性が男性より少ない量で設定されているのは、体格差だけが理由ではない。肝臓でアルコールを分解する酵素(ADHやALDH)の活性、体内の水分比率、ホルモンの影響などで、同じ量を飲んでも血中アルコール濃度が男性より高くなりやすい。これはWHOの飲酒ガイドラインでも共通した見解だ。

日本人はアルコールに弱い人が多いという前提

純アルコール量の目安は、あくまで「平均的な欧米人」を想定した国際基準をベースにしている。日本人を含む東アジア人は、アルコール代謝で欧米人と大きく異なる。

アルコールは体内でまずアセトアルデヒドに分解され、その後ALDH2という酵素で酢酸に分解される。このALDH2の活性が、日本人の約4割で低い(低活性型または不活性型)とされる。1979年に原田勝二氏が報告した日本人のALDH2遺伝子多型の研究以降、国内外の複数研究で同様の傾向が確認されている。

低活性型の人は、少量の飲酒でも顔が赤くなる・動悸がする・頭痛が出る、といった反応が起こりやすい。これは体質であり、鍛えて克服できるものではない。むしろ、顔が赤くなるタイプの人が無理に飲酒を続けると、食道がんのリスクが上がることが厚労省の飲酒ガイドラインでも指摘されている。

「ワイン1本を2人で、ちょうど半分ずつ」という均等なシェアは、体質を無視すると危ない。顔が赤くなるパートナーには、量を減らすかノンアルコールに切り替えるという選択肢を最初から用意しておきたい。

うちは夫婦ともに顔が赤くなるタイプで、2人で1本を1晩で空けると翌朝は確実に重い。この5年で、週末だけ1本、平日はグラス1杯、月に数日は完全に休む、というペースに落ち着いた。

ワインの飲み方で純アルコール摂取を抑える工夫

ワインを楽しみながら、純アルコール摂取を減らす具体的な工夫を挙げる。すべて厚労省の飲酒ガイドラインや、国内の保健指導でよく紹介されている内容だ。

  • チェイサー(水)を同量以上飲む: ワイン125mlに対して水125ml以上。血中アルコール濃度のピークが緩やかになり、翌日の脱水感も軽くなる
  • 食事と一緒に飲む: 空腹時はアルコール吸収が速い。チーズ・ナッツ・肉料理など脂質やたんぱく質のある食事と一緒に飲む
  • 週に2日以上の休肝日: 連続飲酒を避けることで肝臓の回復時間を確保
  • 度数の低いワインを選ぶ: 同じ1本750mlでも、度数10%なら純アルコール60g、12%なら72g、14%なら84g。度数2%の差で12gずつ変わる
  • グラス小さめにする: 標準的なワイングラスは125〜150ml注げるが、小ぶりのグラスなら80〜100mlで止まる
  • ノンアルコールワインを混ぜる: 1杯目は通常ワイン、2杯目はノンアル、と交互にする

ここ数年、国内のノンアルコールワインの選択肢は目に見えて増えた。サントリー「ノンアルでワインの休日」、メルシャン「ボン・ルージュ ノンアルコール」など、スーパーで手に入る銘柄だけでも複数ある。味の完成度も、10年前と比べれば別物だ。

「ワイン1本を2人で」という状況を、「ワイン半本+ノンアル1本を2人で」に置き換えるだけで、1人あたりの純アルコールは36gから18gに半減する。これなら厚労省の20g目安に収まる。

自分で計算してみる—実例ワーク

最後に、よくあるワインシーンでの純アルコール量を計算してみる。すべて「量(ml) × 度数/100 × 0.8」で出せる。

ケース1: 平日の夕食に赤ワイン1杯
グラス125ml・度数13%の赤ワイン → 125 × 0.13 × 0.8 = 13g。1日の目安20gに収まる。

ケース2: 週末に夫婦でシャンパーニュ1本
750ml・度数12%のシャンパーニュを2人で等分 → 1人375ml → 375 × 0.12 × 0.8 = 36g。女性の生活習慣病リスク増加域(20g以上)に該当。

ケース3: ホームパーティで4人でワイン2本
750ml × 2本・平均度数12.5% → 総アルコール150g。4人で等分すると1人37.5g。この後にビールやハイボールが加わると一気に増える。

ケース4: 食後にポートワイン1杯
60ml・度数20% → 60 × 0.20 × 0.8 = 9.6g。少量に見えて、ビール1缶の半分に相当する。

ケース5: 1人でボトル1本を1週間かけて飲む
750ml・度数12%・72gを7日で割る → 1日約10g。これなら余裕を持って目安内。

こうやって手を動かして計算すると、「このペースなら大丈夫」「この飲み方は多すぎる」が肌感覚で掴めてくる。暗算が面倒なら、スマホのメモに「量 × 度数 × 0.008」と残しておけばいい(度数/100 × 0.8をまとめただけ)。

まとめ—数字で自分の飲み方を見直す

ワイン1本を2人で等分すると、1人あたり純アルコールは約36g。厚労省の「節度ある適度な飲酒」目安20gの約1.8倍で、女性なら生活習慣病リスクが上がる域に入る。

覚えておきたいのは一本の式だけ。純アルコール量(g) = 量(ml) × 度数(%)/100 × 0.8。この式があれば、どんな酒でも、どんな量でも、自分が今日何グラムのアルコールを摂ったかが数字で出る。

数字が出ると、判断が変わる。「もう1杯」が「今日はここまで」になり、「全部飲み切ろう」が「半分残して明日に回そう」になる。

ワインは楽しむための飲み物であって、我慢して飲むものじゃない。だからこそ、量と度数を把握して、自分の体質とペースに合う飲み方を見つけたい。この記事の数字が、その入り口になればと思ってます。

参考出典

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒量の単位」
  • 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月)
  • 厚生労働省「健康日本21(第二次)」アルコール分野
  • WHO「Global status report on alcohol and health」
  • 原田勝二 ほか『日本人におけるALDH2遺伝子多型』(1979年以降の一連の研究)

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