善玉菌を増やす食べ物と減らす食べ物|毎日の食事で意識したい選び方の基本

善玉菌を増やす食べ物と減らす食べ物|毎日の食事で意識したい選び方の基本

腸内環境を整えたい、と思って検索してこのページに来た人が多いはず。自分も30代後半で便通のリズムが崩れて、食事をいじり始めたクチです。

結論から言うと、善玉菌は「増やす食べ物を足す」より「減らす食べ物を減らす」ほうが先に効く。足し算より引き算。これは管理栄養士の友人に相談したときも同じことを言われた。

この記事では、公的な栄養データと歴史的な食文化の話を混ぜながら、毎日のスーパーで選べるレベルで整理しました。

この記事の要点

  • 善玉菌そのものを含む食品を「プロバイオティクス」、善玉菌のエサになる食品を「プレバイオティクス」と呼ぶ(厚生労働省 e-ヘルスネット)
  • 日本人の食物繊維摂取量は1日平均18.4g(20歳以上男女平均、令和元年国民健康・栄養調査)で、目標量の21g(男性)/18g(女性)に届いていない
  • 発酵食品の代表格である味噌・納豆・漬物は、江戸時代以前から日本の食卓にあった伝統食品
  • 高脂肪・高糖質・超加工食品の多い食生活は、腸内細菌の多様性を下げる方向に働くという研究報告が複数ある(Nature誌 2014年 David LA ら)
  • 食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ役割が違う(日本食品標準成分表2020年版 八訂)

毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。

そもそも善玉菌って何なのか、整理しておく

最初にここをはっきりさせたい。「善玉菌」という言葉は実は俗称で、学術的な定義ではない。

腸内には約1,000種類、100兆個の細菌が住んでいるとされる(厚生労働省 e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」)。これを便宜的に善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分けて説明しているのが日本の栄養教育の慣例です。

善玉菌の代表はビフィズス菌と乳酸菌。ビフィズス菌は大腸、乳酸菌は主に小腸に多く住んでいる。この2つの違いを知らずに「乳酸菌飲料を飲めば大腸に効く」と思っている人、意外と多い。自分も最初はそう思ってた。

悪玉菌の代表はウェルシュ菌や大腸菌の一部。日和見菌はバクテロイデスなど、腸内の力関係によって善玉にも悪玉にも振れる菌のこと。全体の7割を占めているとされ、ここが実は一番大事という見方もある。

つまり「善玉菌を増やす」という言い方は、厳密には「腸内細菌全体のバランスを善玉優位に傾ける」という意味合いが近い。食べ物の話に入る前に、この前提を押さえておきたい。

善玉菌を増やす食べ物①:発酵食品(プロバイオティクス)

まず最初に意識したいのが発酵食品。これは「菌そのものを口から入れる」アプローチです。

日本の伝統的な発酵食品は意外と豊富で、味噌・醤油・納豆・漬物・甘酒・ぬか漬け・塩麹・鰹節。鰹節もカビ付けという工程を経ていて、立派な発酵食品だ。

特に納豆は、1000gあたり約10億個の納豆菌を含むとされ、しかも納豆菌は胃酸に強い。ヨーグルトの乳酸菌が胃酸でかなりの数が死んでしまうのに対し、納豆菌は芽胞という殻を作って耐える。この性質から、死菌・生菌ともに腸に届きやすい発酵食品として研究が進んでいる。

ヨーグルトを選ぶときは、特定保健用食品(トクホ)のマークが付いているものか、菌株名(LG21、R-1、BB536など)が明記されているものを選ぶといい。「ヨーグルト風味」と書かれているだけのものは、乳酸菌が熱処理で死んでいる場合もある。

漬物については1点注意。市販の浅漬けやキムチの多くは、調味液で味を付けただけの「漬物風食品」で、乳酸発酵していないものが結構ある。パッケージ裏の原材料に「乳酸菌」や「発酵」の記載があるか、酸味料・pH調整剤が入っていないかをチェックしたい。

ちなみに、なぜ日本で発酵食品がここまで多様化したのか。これは個人的な考察だが、高温多湿で食品が傷みやすい気候と、仏教の影響で動物性食品の保存技術が発達しなかったことが背景にあると思っている。塩と米麹で植物性食品を長期保存する知恵が、結果として腸内環境に優しい食文化を作った。これは世界でも珍しい食の歴史です。

善玉菌を増やす食べ物②:食物繊維(プレバイオティクス)

次が食物繊維。こっちは「すでに腸にいる善玉菌のエサ」になる食品群です。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がある。水溶性は水に溶けてゲル状になるタイプで、善玉菌のエサになりやすい。不溶性は水を吸って膨らみ、便のかさを増やすタイプ。両方必要です。

水溶性食物繊維が多い食品の代表は、海藻類(わかめ、昆布、もずく、めかぶ)、オートミール、大麦(もち麦)、りんご、キウイ、ごぼう、にんにく、玉ねぎ。

特にもち麦は、水溶性食物繊維のβ-グルカンを100gあたり約6g含む(日本食品標準成分表2020年版)。白米に3割ほど混ぜて炊くだけで食物繊維が一気に増える。自分も半年前からもち麦ご飯に変えて、朝のリズムが明らかに違う。

不溶性食物繊維は、豆類、きのこ類、根菜類、全粒穀物に多い。大豆は100gあたり約17.9g、ひきわり納豆は約5.9gの食物繊維を含む(同成分表)。

注目したいのが、オリゴ糖とイヌリン。これはプレバイオティクスの中でも特にビフィズス菌が好むとされる成分。オリゴ糖は玉ねぎ、ごぼう、バナナ、はちみつ、大豆に多く含まれる。イヌリンはチコリや菊芋、ごぼうに豊富だ。

日本人の食物繊維摂取量は、1950年代には1日あたり20g以上あったとされるが、令和元年の国民健康・栄養調査では18.4gまで減っている。パン・パスタ中心の食生活と、根菜類の消費減が原因と言われている。目標量に届いていない人がほとんど、というのが日本の現状です。

シンバイオティクスという考え方

最近の栄養学で押さえておきたいのが「シンバイオティクス」。プロバイオティクス(菌そのもの)とプレバイオティクス(菌のエサ)を一緒にとる食べ方のことです。

これは1995年にイギリスの微生物学者Gibsonらが提唱した概念で、今は国際的な学術誌でも頻繁に扱われている。

具体例を挙げると、納豆ご飯にネギとキムチを乗せる。ヨーグルトにバナナとはちみつをかける。味噌汁にわかめと玉ねぎを入れる。どれも「菌+エサ」のペアです。

これ、日本の伝統食は実はもともとシンバイオティクスだったりする。味噌汁(発酵食品)に野菜や海藻(食物繊維)を入れるのは、理論ができる何百年も前からやっていた組み合わせ。日本の家庭料理は、無意識のうちに腸に優しい設計になっている。改めて見直してみると面白い。

一方で「シンバイオティクスだから」と気負って色々食べる必要はない。朝の味噌汁に具を2〜3種類入れるだけでも十分です。やりすぎると続かない。

善玉菌を減らす食べ物①:超加工食品と添加物

ここから引き算の話。実はこっちのほうが先に効果が出る、というのが個人的な実感です。

最初に避けたいのが、超加工食品。これはNOVA分類という国際的な食品分類の第4グループで、工業的な加工を何段階も経た食品のこと。カップ麺、スナック菓子、清涼飲料水、菓子パン、冷凍ピザ、加工肉(ソーセージ、ハム、ベーコン)などが該当する。

2019年にフランスのパリ第13大学が10万人以上を追跡した研究では、超加工食品の摂取量が多い群で腸内細菌の多様性が低下する傾向が報告された(BMJ誌掲載)。多様性の低下は、特定の菌ばかりが優勢になることを意味していて、バランスの観点から望ましくない。

人工甘味料も要注意。アスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどは、2014年のネイチャー誌(Suez J ら)で、腸内細菌叢を変化させる可能性があると報告された。ゼロカロリー飲料を毎日飲んでいる人は、水や麦茶に置き換えるだけで変わってくるはず。

自分も以前はコンビニのサンドイッチと甘いコーヒーで昼を済ませる日が多かった。これをおにぎりと味噌汁に変えただけで、1ヶ月でお腹の調子が落ち着いた。食べる物を増やすより、やめる物を決めるほうが早い。

善玉菌を減らす食べ物②:高脂肪・高糖質な食事

次が高脂肪食と高糖質食。

2014年にハーバード大学のDavid LAらがネイチャー誌に発表した研究では、動物性食品中心の食事(肉・卵・チーズ中心)を5日間続けただけで、腸内細菌の構成が大きく変わることが示された。具体的には、胆汁に強い菌が増え、植物性食品を分解する菌が減った。

これは「肉を食べるな」という話ではない。問題は量と頻度のバランス。焼肉を週1回楽しむのと、毎日ステーキを食べるのは話が別です。

糖質に関しても、精製された砂糖や白い炭水化物(白米、白パン、白い麺)が中心だと、血糖値の急上昇とともに腸内の悪玉菌が増えやすい環境になる。全粒粉のパン、玄米、そばなど、精製度の低い炭水化物を混ぜていくと食物繊維も一緒に摂れる。

揚げ物も要チェック。トランス脂肪酸や酸化した油は、腸粘膜への刺激が指摘されている。マーガリン、ショートニングを使った菓子パンや、揚げてから時間が経ったスナックは、頻度を下げたほうがいい食品の筆頭です。

お酒とタバコ、ストレスの話も避けて通れない

食事以外の要因だが、腸内環境を語るうえで無視できないのがこの3つ。

アルコールは、腸粘膜のバリア機能を一時的に下げることが知られている。特に空腹時の強いお酒は、腸内細菌叢に負担をかける。晩酌そのものを否定するつもりはないが、おつまみに食物繊維と発酵食品を組み合わせる(枝豆、キムチ、冷奴、海藻サラダなど)だけで、だいぶ違う。

タバコは言うまでもなく、腸内細菌の多様性を下げる方向に働く。これは複数の疫学研究で一致している結論です。

意外と見落とされがちなのがストレス。脳と腸は迷走神経でつながっていて、「脳腸相関」という言葉で研究が進んでいる。慢性的なストレス状態では、腸内細菌叢が変化することが動物実験と人間の両方で確認されている(九州大学 須藤信行教授らの研究が有名)。

食事を頑張っても寝不足と過労が続いていると、効果が出にくい。これは自分も痛感してます。腸を整えるには、食事+睡眠+運動+ストレス管理の4点セットで考えたほうがいい。

1週間の食事で意識したい、現実的な組み立て

ここまでの話を実生活に落とし込むと、こんな感じになる。

朝は、ヨーグルト(菌株名が明記されたもの)+バナナ+オートミール、または納豆ご飯+味噌汁+わかめ。シンバイオティクスを意識した組み合わせです。

昼は、コンビニで済ませるにしても、おにぎり(できれば雑穀米や玄米入り)+具だくさん味噌汁+サラダチキン、くらいの構成で。カップ麺+おにぎり+唐揚げ、みたいな組み合わせを週3回以上やっていると、どんなに腸活食品を足しても追いつかない。

夜は、根菜類ときのこ類を使った煮物や炒め物を1品。白米にもち麦を3割混ぜる。発酵食品を1品(キムチ、ぬか漬け、味噌汁のいずれか)。

間食は、ナッツ、ドライフルーツ(砂糖不使用)、小魚、プレーンヨーグルトあたりに置き換えると、お菓子を減らしやすい。急にお菓子をゼロにするのは続かない。自分は週2回だけ好きなお菓子を食べる日を決めて、残りは我慢ではなく「置き換え」でやってます。

サプリや健康食品に頼る前に、食事を見直す

最後に。腸活のサプリや健康食品は星の数ほどあって、どれを選べばいいか迷う人も多いと思う。

個人的な意見だが、まずは食事を見直してから。1日3食のうち、超加工食品が占める割合をゼロにする努力をして、それでも足りないと感じたときに補助として使うのが順番として自然です。

サプリは「足りないものを足す」ための道具であって、「悪いものを打ち消す」ための道具ではない。ここを勘違いすると、お菓子を食べながらサプリを飲むという本末転倒なことになる。実際、自分の周りでもそうやって何年も試行錯誤している人がいる。

日本の食文化は、意識しなくても腸に優しい設計になっている部分が多い。味噌汁、納豆、漬物、海藻、根菜。これらを週に何回食卓に乗せるか、から考えてみると、腸活は実は難しくない。

何を食べるかより、何を食べないかを決める。そして、昔から日本にある食材を、少しだけ意識して取り入れる。これだけでも、腸は結構変わってきます。半年くらい続けてみて、自分の体の変化を観察するのが、一番確実な方法だと思ってます。

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