食物繊維とは?水溶性・不溶性の違いと多い食品をやさしく解説
Jun 23, 2026
「食物繊維、ちゃんと摂れてますか?」と聞かれて、自信を持って「はい」と言える人は意外と少ないはず。厚生労働省の調査では、日本人の平均摂取量は目標値に届いていません。
この記事では、食物繊維とは何か、水溶性と不溶性の違い、多く含む食品、1日の摂取目安量までをまとめて整理します。難しい栄養学の話は最小限にして、食卓で使える情報を中心に書きました。
食物繊維とは?まずは定義から
食物繊維は「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。簡単に言えば、胃や小腸で分解されずに大腸まで届く成分のこと。
かつては「栄養にならないもの」として扱われ、五大栄養素にも含まれていませんでした。今は炭水化物の一区分として位置づけられ、食事の中で意識して摂りたい成分のひとつになっています。
炭水化物のうち、エネルギーになる「糖質」と、消化されない「食物繊維」。同じグループでも役割が違うわけです。
毎日の習慣に取り入れやすい一本として、Five Point Detox も参考にしてみてください。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い
食物繊維は大きく2種類に分かれます。水に溶けるかどうか、それだけです。
水溶性食物繊維(SDF)は、水に溶けるとゲル状(とろっとした状態)になる性質を持っています。果物のペクチン、大麦やオーツ麦のβ-グルカン、こんにゃくのグルコマンナン、海藻のアルギン酸、ごぼうのイヌリンなどが代表例。
不溶性食物繊維(IDF)は、水に溶けず、水を吸って膨らむタイプ。セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどで、穀類のふすま、野菜、豆類に多く含まれます。繊維状や蜂の巣状の構造で、噛みごたえのある食感の正体でもあります。
表にするとこんな感じ。
| 種類 | 性質 | 多い食品 |
|---|---|---|
| 水溶性食物繊維 | 水に溶けてゲル状になる | 果物、大麦、オーツ麦、こんにゃく、海藻、ごぼう |
| 不溶性食物繊維 | 水を吸って膨らむ | 玄米、全粒粉、豆類、きのこ、野菜の皮や茎 |
どちらか一方ではなく、両方をバランスよく食べるのが基本的な考え方です。
食物繊維を多く含む食品の例
「結局、何を食べればいいの?」という疑問に、食材ベースで答えます。
水溶性が比較的多いのは、押し麦や大麦、オートミール、ごぼう、にんじん、りんご、キウイ、わかめ、こんにゃくなど。不溶性が多いのは、玄米、全粒粉パン、大豆や枝豆、ひよこ豆、ブロッコリー、しいたけ、エリンギなど。
ただし、多くの食材は両方を含んでいます。たとえばごぼうは水溶性のイヌリンも、不溶性のセルロースも持っている。だから「これを食べれば水溶性が摂れる」と細かく分けすぎず、野菜・豆・穀物・きのこ・海藻・果物を日常的に組み合わせる方が現実的です。
1日の摂取目安量と日本人の現状
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の食物繊維の目標量として、男性21g/日以上、女性18g/日以上が設定されています(年代によって細かく変動します)。
一方、令和元年国民健康・栄養調査によると、日本人の平均摂取量は約18g前後。男性は目標に届いておらず、女性もぎりぎりというのが実情です。
21gと聞いてもピンと来ないので、目安を出します。ごぼう100gで約5.7g、納豆1パック(40g)で約2.7g、ゆで大豆100gで約7g、玄米ご飯1杯で約2g。意識して組み合わせないと、なかなか届かない数字です。
食物繊維と発酵性食物繊維の話
最近よく聞くキーワードに「発酵性食物繊維」があります。これは、大腸の腸内細菌によって発酵を受け、短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸・プロピオン酸など)を生み出す食物繊維のこと。
水溶性食物繊維の多くがこのタイプで、β-グルカンやイヌリン、ペクチンなどが該当します。腸内環境の話題で食物繊維が注目されるのは、こうした発酵の働きが研究されてきた背景があるから。
もちろん、すべての食物繊維が発酵性というわけではありません。不溶性食物繊維は水を吸ってかさを増し、便のボリュームをつくる役割を担っています。役割が違うので、やはり両方が必要、という結論に戻ります。
毎日の食事で食物繊維を補うコツ
難しく考えなくても、置き換えと足し算で十分カバーできます。
白米を雑穀米や押し麦入りに変える。朝食のパンを全粒粉やオートミールにする。みそ汁にわかめときのこを足す。間食を果物やナッツに変える。納豆や豆腐を毎日の定番にする。これだけで、目標量にぐっと近づきます。
無理に「食物繊維だけ」を増やそうとせず、主食・副菜・汁物の素材を少しずつ繊維寄りにする方が続けやすい。自分の場合、押し麦をご飯に混ぜるようになってから、特に努力しなくても食物繊維量が安定するようになりました。
まとめ
食物繊維は、消化されずに大腸まで届く成分の総称。水に溶ける水溶性と、水を吸って膨らむ不溶性の2種類があり、どちらも食事から摂りたい成分です。
日本人の摂取量は目標値に届いていないというデータが出ています。完璧を目指すより、雑穀・豆・海藻・きのこ・果物を日々の食卓に少しずつ足す。それくらいの感覚で十分だと思います。
※本記事は栄養素に関する一般的な情報をまとめたものです。健康状態に不安がある場合は医師・管理栄養士にご相談ください。
